保育士を辞めたいと思った時【中堅・ベテランになるほど仕事量の増加】

保育士を辞めたいと思った時【中堅・ベテランになるほど仕事量の増加】

5年ほど働いていれば保育士の世界ではほぼ中堅です。自然と仕事にも慣れ、自分の仕事以外にも様々な仕事を任されることが増えてきます。

保育士の経歴が長くなるほど、仕事量の負担が増える

自分の仕事をこなしながら、園の仕事もこなし書類関係にも気を配らないといけない。
仕事を任されるのは自分が信頼されている証拠で、新人の頃憧れていた『そつなく仕事をこなすベテラン先生』に近付いている気がするなんて喜んだこともありました。

しかし、みなさんご存知の通り保育士の仕事量をなめてはいけません。
自分のことだけを考えていた新人の頃とは違い、後輩のことや園全体のことにも目を向けなければいけない時期がすぐにやってきます。

要領よくこなすには、頭の中で仕事を整理しどれを優先的にやらなければいけないのかを常に考えなければいけません、保育と同時進行で。
すると必然的に『任された仕事>自分の仕事』になってしまうことが多かったです。私がやらなければ仕事が回らない。他の先生も助けてくれるし、他の先生が困っていたら私も力になりたい。

こうして自分の仕事を後回しにすると、その分は残業したり土日出勤したり…もともと勤務内に終わることが難しいのに、さらに帰れない状態に陥っていました。

仕事が慣れてくると見通しがもてるため、次はこれ、その次はあれと本当に日々が目まぐるしく過ぎていました。
『こんなに余裕がない仕事はもういやだ。今年度かぎりで絶対に辞めてやる!』と、毎年6月頃まで毎日毎日思っているのですが、運動会が終わる秋頃になると子ども達も、仕事自体も落ち着くために妙な達成感も加わり『もう一年は頑張れそうかなー』なんて思いが生まれるんです。

そして結局次年度も保育士を続けている。そんな繰り返しでした。

任される仕事が増えると、子ども達にしてあげたいことがなかなか実現できない

人間関係も良好、任される仕事も増え仕事にもやりがいがある、保育士としてのスキルアップはこれから、と言う時期が一番しんどかった気がします。

いや、もっと上に上り詰めると更に大変になるんだろうと思いますが。とにかく仕事が終わらない。
やりたいこと、子ども達にしてあげたいことがたくさんあるのに手が回らない。私は子ども達と接するために保育士になったのに、目の前の仕事をこなすだけで精いっぱい。そんな自分に嫌気がさすことなんて日常茶飯事でした。

他の職業と比較してしまうこともあった

定時で上がれて持ち帰り仕事もない仕事も、探せばきっとあるはずです。『お金を稼ぐ』ことを中心に考えれば、もっと割りの良い仕事が他にあるんです。
転職情報誌をふと手に取りみてみると、「私の給料より高いのに定時上がりの仕事がある!」なんて驚いたものですが、仕事量が負担となり保育士を辞めようと思っている人は少なくないはずです。

こればかりはもう自分自身の『気持ちの問題』だと思います。もっと効率的にお金を稼ぎたいとなれば保育士を続けることが難しくなります。
お金も稼ぎたいけど、保育士と言う職業も捨てがたい…。こうなった時が本当に難しいんです。

一度離職したけれど、再び保育士に戻ってきた人の話もたくさん聞きますが、みんなこういう思いだったのかなと思わずにはいられません。

この記事について

筆者:yuuna
保育士歴:8年(幼稚園教諭の期間も含む)
投稿日:2016年6月13日
記事編集:はる蔵

編集後記「業務負担でお辞めになられた保育士は多いはず」

はる蔵の場合、自分よりも上の人達が多く、特別に任された仕事って機械操作などの少し得意な分野くらいだったような気がします。
書類作成・スタンプラリー台紙などの印刷物デザイン・パソコンの設定・修理など。

このように得意不得意で求められる・任される仕事も変わってくると思います。仕事が早く、保育士としての能力も高く、オールラウンドタイプの人だと任される仕事もより増えるでしょう。例えるならば、モテる男は辛いみたいな感じでしょうか。

先月友人と焼肉を食べに行ったのですが、その時に大企業の工場勤務をしている友人が本記事と同様の悩みをもっていました。中間管理職の辛さってやつです。
仕事量や仕事内容の違いはあれ、保育士だけじゃなく、どの社会でも上に立つ者ほど仕事量の負担をはじめ、責務の負担は増えるものなんだなと改めて感じます。

同じなんだけど、全く同じとは言えない点もあります。それはお給料問題。
仕事量が増え・責務の負担が増えるとなれば、それに伴いお給料もたくさん上がればまだ良いのですが、保育士の場合は上がっても雀の涙ですよね。

でも、今回yuunaさんが書いてくれたこの記事はお金ではなく、本質はここ「給料よりも仕事量の負担を減らしてほしい…」に繋がるのかと思います。

ここ最近、保育園のあらゆる問題や保育士の給料問題などいろいろ話題になっておりますが、この流れで「お金だけの問題ではない」という風潮に繋がってほしいと思います。

地域限定保育士とか、准保育士制度を導入とかそういうことじゃなく、保育士が辞めていく原因を改善し、保育士の離職を防ぐ流れ・潜在保育士を呼び込むような流れになっていただきたいものです。

お偉いさん方は、改善・見直しの方向性が違う気がするんですよね。
お給料問題のみならず、業務負担でお辞めになられた保育士は多く、豊富な経験と能力をお持ちの方がたくさんいらっしゃると思いますよ。

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コメント一覧

  1. ももちゃん より:

    中堅って一番難しい立ち位置になりますよね。上には気をつかなわないといけないし、下には教えてあげないといけないし。
    また、最近の新人さん(こうやってまとめてしまってもいけないのだけれど…)はあまり細かいことに気づかないので、そういったことに対して事細かく教えてあげる必要があるので教える立場はとても大変ですよね。

    何年か前だったら「これをこうして」で伝わった出来事も、最近では「こうこうな理由で、ここがこうなってるから、このようにして。」と噛み砕いて話さないと伝わらないことも多いので、指導時間もかなりの長時間がかかってしまい、自分の仕事に支障がでてしまうことすらありますよね…。
    ですが、自分が新人の時にもお世話になった先生って必ずいます。その先生たちへの恩返しという気持ちで、ふーーーっと深いため息をつきながらもがんばっています。

  2. あいのり より:

    保育の仕事はたくさんありすぎます。保育の仕事量を世間の皆さんはどの程度知っているでしょうか。

    保育歴が長くなるにつれて仕事の量はもちろん新人の指導、園以外での連絡、備品のチェックなど本当に大変です。
    園全体で役割分担をしたり、ある程度の流れ作業を作っておいたり、新人のころから、細かく教えていくことによって二度手間ということもなくなると思います。
    何を最初に優先するべきなのかを中堅のかたはしっかりと見極めみんなでフォローしあえるシステムを作るといいと思います。

  3. みかんてぃ より:

    保育士・幼稚園教諭の仕事は多すぎますね。

    子どもたちのために必要な仕事
    書類関係の仕事
    行事関係の仕事
    日々の掃除や準備の仕事
    動物や植物の世話
    電話対応
    手紙の用意
    絶対とは決められていないものの、周りや園長の目を気にしてやらないといけない仕事

    など、考えればもっともっと出てきますね。
    仕事ってつらい。
    この仕事には二度と戻りたくない。
    と言って辞めていく人を何人も見てきました。

    保育士不足に対して、国の対応が見ものですが、是非とも、現場の保育士の多くの意見を聞いて、対策を練ってほしいですね。
    給料が現状から2・3万上がったところで、何にも変わらないと思いますね。

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