運動会の計画・準備とその練習について
保育園に子どもを預けている保護者が、一番楽しみにしている行事が運動会だと思います。一生懸命踊ったり、友だちと力を合わせて綱引きをしたり、運動会には子ども達のキラキラした姿がたくさん見られます。
そんな子ども達の姿の裏側には、保育士の涙ぐましい努力と子どもたちの頑張りがあってこそだと思います。
最近では春先に行われる園もあるようですが、私は秋の運動会しか経験がないので参考になるか不安ですが、運動会の準備や練習について書いていきたいと思います。
いつから計画・準備をはじめたらいいのか?
もし10月に運動会があるとしたら、保育士の皆さんはどのくらいの時期から運動会を意識して計画・準備を始めますか?
私はプールが始まる頃から、運動会ではどんな曲でリズムを踊ろうかと考えることが多かったです。
新年度から3カ月も経つと、クラスの雰囲気も子ども達の個性も徐々に掴めてきます。この子たちが運動会で、負担なくいつもの力を発揮できるにはどうすればいいか。それを考えやすい時期が、私にとっては入園式を終えた3カ月後でした。
種目・競技内容・テーマ決め
運動会の競技として『リズム・踊り』『かけっこ』『親子競技』などの種目があると思います。年長になると、色別対抗リレーや綱引きがあるところも多いのではないでしょうか。
リズム・踊りを決める際、よく隣のクラスの先生と話し合うのが『今年の○歳児のテーマ・競技は何にしよう』というものです。
ある時は、ワールドカップが開催される年でしたので『サッカー』をテーマにしようとしたこともありました。すると、リズムの曲も必然とワールドカップにちなんだものになりますし、親子競技もサッカーボールを使ったものや、サッカーに関係するものである程度準備ができます。
「今年は何でいこうか…。」と、その年の子ども達の姿・特徴を見極め、テーマを決めることも、とても楽しかった覚えがあります。
運動会にむけての練習
曲や振り付けなどが決まれば、さっそく練習開始です。季節的にも炎天下の中で練習が行われることもあり、練習をする時間帯や時間配分などにも配慮が必要でした。
なお比較的涼しい朝の時間は未満児クラスの練習が行われることが多いため、自クラスの練習が間延びしてしまわないよう気をつけていました。
練習における指導のポイントは、普段の保育でもそうですが、子ども達に何かを伝えるときは『短く、分かりやすい言葉で』を念頭にいれておくとよいと思います。
右手を挙げてほしい時に、「右手はこっちー!違う、反対!」と叫ぶより、右手首に目立つ色のリストバンドでも作り「バンドの方挙げてー!」と伝えた方が子ども達には格段に早く伝わります。子どもにとっても、保育士にとっても負担のない練習方法を考えてみてください。
『運動会の練習をすると、先生がいつも怒るから嫌だな』と子ども達に思われないように、運動会は何のためにあるのか、誰のもののためなのか、もう一度考えてみてください。
子ども達は本当に純粋です。頑張って練習した成果をお家の人に見せたい!先生にたくさん褒めてもらいたい!運動会を迎える子ども達の心の中は、きっとこんな思いであふれていると思います。
振り付けを間違えたって、転んだって、バトンを落としたって、「大丈夫大丈夫!頑張ったよ!かっこよかったよ!」と、保育士も保護者も、そして子ども達同士も言い合える。そんな運動会当日が迎えられると良いですね。
この記事について
筆者:yuuna
保育士歴:8年(幼稚園教諭の期間も含む)
投稿日:2016年6月12日
記事編集:はる蔵
編集後記「保育士のための運動会あれこれ」
保育園の一大イベントの1つでもある運動会。
1年前は泣きじゃくっていた我が子が立派にやってる…など保護者に感動を与える行事です。保育士だって受け持ちのクラスはもちろん、去年務めたクラスの子達の活躍をみて感動するなんてこともあります。
そんな一大イベントを成功させるためには、司会進行役・大道具運びなど、役割分担を決める綿密な計画が必要です。はる蔵が勤めていた園では保護者向けのプログラムや環境構成や物の配置などが書かれた職員専用プログラムを作ったりしていました。
運動会の練習も大変だけど、そこに至るまでのテーマ・種目選び等の選定だったり・衣装・小道具を作ったりするのも一苦労。
また、仕事量も増え残業は多くなり、練習の進行状況によっては焦るし、こういった過程を思い返すだけでも、保育士の大変さをあらためて実感する次第でございます。
運動会の練習で保育士が気を付けたいこと
上記のように一筋縄ではいかないことばかりだけど運動会を成し遂げた後、達成感に満ち溢れます。
特にそれを知っている保育士は、運動会をより良いものにしたいがため、気合いを入れて取り組むと思いますが、テーマの選定とその気合いの入れ方には注意が必要です。クラスの力量を無視し高度なことを取り入れ、厳しく過度な練習となったり、保育士だけが熱くなりすぎてはならない。
学生時代、はじめての実習で運動会の練習を目の当たりにしたのですが、保育士の練習指導やその熱量に恐怖を感じたこともあります。
そういった感じで無我夢中で練習に取り組み、水分補給・休憩の配慮が欠けて熱中症になってしまった…なんてことにならないようにしてください。
練習の時間配分を考えることもそうですし、たまには気晴らしにお散歩にでかける・練習をお休みにして自由遊びを存分に楽しむなど、リフレッシュができる日も必要だと思います。
そしてなにより、保育士が熱くなるというよりも子ども達を熱くさせる方に全力を尽くしたいものです。やる気の引き出し方に精を出すというのでしょうか。
話は変わりますが、園長に「周り近所のご迷惑になるから」と音量関係で指導されたこともあります。昨今、保育園の騒音問題が話題になっていますが、練習時の声・言葉・音量にも注意が必要です。
また4・5歳児ならば午睡の時間に練習といきたいところですが、他の子ども達が寝ている時間に練習する際には音量や練習方法にも注意したりしなくてはいけませんね。
こうして運動会本番、今までの努力が理想とする形で実現できれば一番いいですね。
ただ…個人的には結果よりも過程の方が大事だと思います。失敗しても思い通りにならなくても、最後は「よく今まで頑張ってきたね、みんな凄かったよ」と笑顔で言える先生であってほしいと思います。
カテゴリー:行事
運動会…本当に保育の現場においてとっても大きな行事ですよね。親の期待も大きい分、こちらとしてもせっかくだから頑張っているところを見て欲しいと気持ちが入ってしまいますよね。
また、幼い学年だとどんなに練習を頑張っていてもそれが当日のその子のコンディションによってまったく発揮されずに終わってしまうこともあり、なかなか難しいですよね。
「練習ではあんなに上手にできたのに…」という残念な気持ちもありますが、子どもたちは年齢が低ければ低いほど、天候や機嫌に左右されやすくなっていますので、その日が過ごしやすく気持ちがいい天気であること。もかなりのポイントになるようにかんじます。
その年のワールドカップや、オリンピック、ラグビーなどを取り入れるとお母さんたちみている方々もとてもおもしろく感じてくれるようですね。
母になり、運動会がどれほど楽しみかよくわかります。
先生方にとっても第一イベントです。
運動会は指導をするころから、たくさんの配慮が必要です。
子どもの健康面、メンタル面はもちろん団体行動で何を目的に何を目指すのか保護者も納得のいく計画が必要となってきます。
またダンスでは曲選びは一学期が終わるくらいから、どんなものが流行っているかを情報を取り入れ、曲選びがおわれば、どんな振り付け、移動などその学年に応じた動きが重要になってくると思います。
とある園の話なんですが、振り付けを考えても子どもに無理があったり、逆に物足りない場合は変えたりすることがよくありました。
臨機応変に対応するのはいいのですが、教えたものがコロコロ変わるのは子どもたちがかわいそうなので、なるべくあまり変更がないよう無理のない振り付けを考えるのがベストだと思います。
かけっこや団体競技では、こども一人ひとり体力が違うので順番やグループなどよく考えることが大事でしょう。
運動会が終わってからも達成感を十分に味わえる言葉がけやご褒美も用意しておくといいと思います。
子どもたちが大きくなれる一つの大イベント、見守るとともに裏からのサポートができるといいですね。
行事は大事ですね。
保護者が楽しみにしている気持ちに応えたり、中には園長に自分のクラスの出来を見せなくちゃいけない保育者の方も少なくないのでは?
確かに行事になると先生の方にも気持ちが入り、それが言葉になって子どもに伝えられますが、外での練習で大声になり、そのことが子どもにとっては「怖い」「練習嫌い」「行きたくない」につながることが多々ありますね。
中には、チックやトイレが近くなったりと、体に現れてしまうこともあります。
保育者も指導には工夫が必要ですね。
運動会の練習は、本格的には1か月半前程から始めます。体育の日が本番だったら2学期入ってすぐ。
運動会で使用する曲は、1学期のうちに決め、なるべく子供たちの印象に残るように、給食で流したり、自由遊びの時に流しておきます。
振付なども、子どもに教えるときには、保育者はもちろん完璧にしておきます。
なるべく改善点はその時点で見つけておき、子どもに1度教えたら変えないようにします。
左右の理解は結構難しいですが、運動会で必要になってくると感じたら、ゲームやリズム遊びで完璧にしておきましょう。
反省やもっとこうしてほしいということは、なるべくその場で、もしくは練習後すぐに、子どもたちが忘れないうちにしましょう。
怒鳴ることと伝えることは違います。
自分を客観的に見ることも必要ですね。